骨粗鬆症と骨密度検査
骨粗鬆症と骨密度検査
- 骨粗鬆症とは,骨がスカスカになって些細な転倒を契機に骨折してしまう病気です。WHO(世界保健機関)の定義では,骨粗鬆症は,低骨量と骨組織の微細構造の異常を特徴とし,骨の脆弱性が増大し,骨折の危険性が増大する疾患。となっていて診断基準は骨密度測定によるとされています。
- 骨密度検査は,骨に含まれるカルシウムなどのミネラル成分の量を測定します。色々な検査法がありますが,日本骨粗鬆症学会が認定するものは,躯幹骨二重エックス線吸収 (DXA)法で,微量なエックス線を用いて腰椎と大腿骨頚部を測定し,その数値のより低い方を,若年齢の平均骨密度値を100%として,被検者の骨密度と%比較した値が,80%以上を正常 70%以下を骨粗鬆症と判定します。腰椎骨密度値が,大腿骨頚部の骨密度とかけ離れている場合は,腰椎X線撮影を行って,腹部大動脈の石灰化や変形性腰椎症などがないか調べる必要があります。
- 最近骨粗鬆症が注目を浴びているのは,寝たきり原因の第3位に「骨粗鬆症を契機にした大腿骨頚部骨折や腰椎圧迫骨折後の偽関節(遷延骨折)」があげられているからです。
- 以前はビスフォスフォネート剤しか画期的な薬がありませんでしたが,最近は確実に骨密度を増やす薬や注射(フォルテオ、プラリア等)が登場しました。 また50歳代の女性の4人に1人が骨粗鬆症なのですが,実際に治療を受けている方はその2割以下という報告もあります。ヨーロッパなどの主要先進国では大腿骨頚部骨折が減少に転じていますが,日本では依然として上昇傾向です。
- 笠原整形外科では,今まで多摩総合医療センターや立川共済病院に骨密度の検査依頼をしていましたが,2014年 1月16日より下記の装置(GEヘルスケアジャパン社製DPX-BRAVO:多摩総合医療センターと同じ装置の最新バージョンです)を使って骨密度を測定できます。
骨密度検査(健康保険適用)は原則予約制で,初めての方は一度ご来院して、予約を取るか、お電話にてお取りください。予約時間は、平日12:00、14:00、14:20、14:40 の4枠となっています。